ウイルス性の細気管支炎にステロイド吸入は効果的ですか?

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RSウイルスの感染が増えるのはまだもう少し先でしょうが、ここで少し復習しておきたいと思います。

RSウイルス感染で注意が必要なのは細気管支炎。

乳幼児における肺炎の約50%、細気管支炎の50〜90%を占めると報告されています。

RSウイルスに対するワクチンは未だ開発されておらず、アメリカだとリバビリンも認可されているようですが、使用はハイリスク患者のみとされています。(※1)

薬を渡す時には喘鳴ありなどの症状でウイルス感染なのか、喘息なのか、細菌感染わからないケースも多いですが、吸入ステロイドが処方されている場合が散見されます。

後日、RSウイルス感染が原因でした。治ったので大丈夫です。と聞くことも多ですが、吸入ステロイドがどれくらい効果的なのかを調べてみました。

お題論文

Glucocorticoids for acute viral bronchiolitis in infants and young children.

PMID:23733383

論文のPECO

P : 1歳未満で細気管支炎

E : 全身もしくは吸入グルココルチコイド

C : プラセボもしくは他治療

O : 外来患者の1日目と7日目の入院、入院患者の滞在時間

一次アウトカムは明確?

一次アウトカムは明確か? → 明確

真のアウトカム?

真のアウトカムか? → 真のアウトカムだが、入退院なのでソフトエンドポイント

メタ分析の4つのバイアス

評価者バイアス → 2名の評価者が独立して行っている

出版バイアス → 不明

元論文バイアス → RCTのメタ分析。ITT解析されているかなど不明

異質性バイアス → 評価されていそうだけど詳細不明

結果

外来患者の1日目の入院

RR 0.92 (95%CI  0.78〜1.08)

外来患者の7日目の入院

RR 0.86 (95%CI  0.7〜1.06)

入院滞在期間

MD -0.18日  (95%CI  -0.39〜0.04)

高用量の全身性デキサメタゾン、吸入エピネフリンの併用で7日目までの入院

ベースラインリスク 26%

RR  0.65  (95%CI  0.44〜0.95)

NNT 11 (95%Cl  7〜76)

まとめ

ウイルス感染による細気管支炎に対する全身性もしくは吸入ステロイドの効果を検討したコクランレビューですが、少なくとも入院を減らせるかという効果は不明ですね…。

症状を軽快できるか?というのはまた別の論文を読んでみないとわからないですね。

一方で、エピネフリンとの併用では入院をある程度減らせそうです。

NNT11は結構いいのではないかと思いますがどうでしょうか?

一方で、エピネフリン単独での治療で入院期間が短縮するかをプラセボと比較した試験もありますが、有意差なしと報告されています。(※2)

また、国立感染症センターのホームページでもステロイドの吸入単独、気管支拡張薬の吸入単独での治療は一定の見解が得られていないと触れられています。

また、日本ではメプチン(プロカテロール)を使用することが多いですが、今回の論文はエピネフリン(ボスミン)が使用されています。

エピネフリンとプロカテロールで効果の違いもあるのかも気になるところですが、ざっと読んでみると、RDAIという呼吸の苦しさの指標(?)がプロカテロールと比べてエピネフリンで有意に低くSpO2などは有意差なかったようですが、エピネフリンが推奨されているようです。(※3)

しかし、RDAI以外には有意差は見られていないのでプロカテロールでも十分ならそれでいいのかもしれませんね。

ここは改めて副作用も含めて調べてみたいと思います。

※1 国立感染症研究所ホームページ

※2 A multicenter, randomized, double-blind, controlled trial of nebulized epinephrine in infants with acute bronchiolitis.PMID:12840089

※3 Comparison of Epinephrine to Salbutamol in Acute BronchiolitisPMID: 23056893

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