高齢者のスタチン服用は心血管疾患の一次予防にどれほどの効果がありますか?

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お題論文1

Statins for Primary Prevention of Cardiovascular Disease in Elderly Patients: Systematic Review and Meta-Analysis.

PMID:26245770

アブストラクトのみ

概要

65歳以上で心血管疾患の既往歴がない患者を対象にスタチンとプラセボもしくは通常ケアを比較したランダム化比較試験8つのシステマティックレビュー&メタ分析。

一次アウトカムは心血管イベントの複合リスクであれば真のアウトカムとして考えられる。

また、一次アウトカムは明確。(アウトカムは複数あるがcompositeされている)

評価者、出版、元論文、異質性バイアスは不明。

結果

重大な有害心血管イベントの複合リスク

RR 0.82 (95%CI 0.74~0.92)

非致死性心筋梗塞

RR 0.75 (95%CI 0.59~0.94)

心筋梗塞

RR 0.74 (95%CI 0.61~0.90)

上記3つは有意に減少させたものの

致命的心筋梗塞

RR 0.43 (95%CI 0.09~2.01)

致死的脳卒中

RR 0.76 (95%CI 0.24~2.45)

非致死脳卒中

RR 0.76 (95%CI 0.53~1.11)

合計

RR 0.85 (95%CI 0.68~1.06)

全死因死亡率

RR 0.96 (95%CI 0.88~1.04)

有害事象においては肝臓トランスアミラーゼの上昇、新規糖尿病の発症、重篤な有害事象による服用の中止などにおいても有意差は見られていない。

論文の結論として予防のためのスタチンは有用だとしていますが、実際どうでしょうか。

確かに複合アウトカムでは有意差が見られ一見するとすごい効果に見えるかもしれませんが個別に見ていくとあれ?っとなります。

非致死性の心筋梗塞は減らすかもしれませんが致死性の心筋梗塞や致死性、非致死性に関わらず脳卒中を減らすかどうかは不明のままです。(効果がないとはここからは言えないです。)

今まで報告されているスタチン系の一次予防の効果の印象と大して変わりません。

これは以前のブログでも読んだALLHAT-LLT試験。

お題論文2

Effect of Statin Treatment vs Usual Care on Primary Cardiovascular Prevention Among Older Adults
The ALLHAT-LLT Randomized Clinical Trial

論文のPECO

P : 平均年齢71.3歳の中等度高脂血症および高血圧患者(?)(一次予防)

E : プラバスタチン40mg

C : 通常ケア

O : 総死亡

ランダム化されているか? → タイトルにRandomizedと記載あり

一次アウトカムは明確か? → 明確

真のアウトカムか? → 真のアウトカム

盲検化されているか? → されていない?通常ケアとの比較なのでされてなさそう。

ランダム化は最終解析まで保持されたか? → 詳細記載なし。

結果

追跡期間6年間(?)
プラバスタチンに割り当てられた参加者のうち6年間で、253人中42人(16.6%)がスタチンを服用していなかった。
通常ケア群の71.0%はスタチンを服用していなかった。

総死亡率
HR 1.18(95%CI、0.97〜1.42、P=0.09)

65歳以上
HR 1.08(95%CI、0.85〜1.37)

75歳以上
HR 1.34(95%CI、0.98〜1.84、P=0.07)

冠状動脈性心疾患の発生率は、群間で有意差なし。
多変量回帰でも、結果は有意差なし。

まとめ

今まで読んだスタチン系の文献と同じような結果が続いています。

ただ、副作用がなく非致死性ながらイベントを予防できるとなれば誰もが飲みたいとなるかもしれませんが、副作用は当たり前ながらありますし、天秤にかけた方がいいかなと思います。

「絶対」飲まなければダメか?と言われれば一次予防であれば飲まない選択肢もありなんじゃないか。

個人的にはそう思います。もちろんリスクをちゃんと理解した上でですが…。

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