利尿薬を服用していると痛風発作を起こしやすいですか?

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利尿薬を服用し始めて尿酸値が上がっちゃってさ…。

と来局される方もいますが、実際利尿薬によると思われる高尿酸血症で痛風発作は増えるのでしょうか?

またその場合、尿酸値を下げることで痛風発作を予防できるのでしょうか?

お題論文

Diuretic Use, Increased Serum Urate and the Risk of Incident Gout in a Population-based Study of Hypertensive Adults: the Atherosclerosis Risk in the Communities Cohort

PMCID: PMC3253199

論文のPECO

P : 痛風発作の既往がなく高血圧の治療が必要な患者(平均年齢55歳、BMI 29)

E : 利尿薬あり

C : 利尿薬なし

O : 痛風発作の発生(診察時に痛風発作が起きたか?という問診?)

真のアウトカムか?

論文のアウトカムは真のアウトカムか? → 真のアウトカム

調整した交絡因子は?

調整した交絡因子は何か? → 性別、人種、ベースラインのBMI、eGFR、血圧の時間的に変化、うっ血性心不全など。

アルコールおよび糖尿病は調整されていない。

結果

全体で2,169名 (37%)が利尿薬の処方を受けており、そのうち1,212名がチアジド系、339名がループ系の処方を受けていた。

ループ系とチアジド系での処方変更があったのは89名。

最も処方頻度が高かったのはヒドロクロロチアジド。

痛風発作の頻度

利尿薬あり 5.5%

利尿薬なし 2.9%(p<0.001)

利尿薬の有無での比較

未調整HR 1.72 (95%Cl 1.32~2.25)

調整後HR 1.48(95%Cl 1.11~1.98)

血清尿酸値調整後HR 0.96(95%Cl 0.71~1.28)

利尿薬と無治療の高血圧での比較

調整後HR 3.35 (95% CI 2.49~4.51)

チアジド系利尿薬

ループ系利尿薬不使用との比較

未調整HR 1.54 (95%Cl 1.08~2.21)

調整後HR 1.44(95%Cl 1.00~2.10)

血清尿酸値調整後HR 0.94(95%Cl 0.64~1.38)

無治療の高血圧との比較

調整後HR 2.53 (95%CI 1.75~3.67)

ループ系利尿薬

ループ系利尿薬不使用との比較

未調整HR 3.62 (95%Cl 2.26~5.90)

調整後HR 2.31(95%Cl 1.36~3.91)

血清尿酸値調整後HR 1.35(95%Cl 0.78~2.34)

無治療の高血圧との比較

調整後HR 2.09 (95%CI 1.19~2.83)

まとめ

利尿薬が開始された患者さんで尿酸値が上がったからとアロプリノールなどが後から追加される例に遭遇したことがある方はまあまあいるはず。

今回の文献ではその上がった尿酸値を下げると痛風発作が減るかどうかまではわかりませんが、少なくとも利尿薬投与後に痛風発作が起きやすい傾向になるかもしれないことが示唆されます。

血清尿酸値を調整すると有意差がなくなることから血清尿酸値が上昇することでの痛風発作で利尿薬がそのまま痛風発作に関連しているわけではないと考えていいのかな?

コホート研究なので交絡因子の影響も大いに考えられますが…。

この利尿薬での血清尿酸値の上昇ではなくただの無症候性の高尿酸血症の場合は痛風発作が起きる割合がそこまで高くなく、薬物投与せず経過観察という選択肢も考えられたと思いますが利尿薬での尿酸値の上昇の場合はどうしましょう…。

やっぱりアロプリノールなど服用した方が良さそうですかね??

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