難聴に抗ウイルス薬は効果がありますか?

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耳鳴りのことを調べていたら突発性難聴に抗ウイルス薬がいい?みたいな内容を見かけたので調べてみることにしました。

耳鳴りの記事はこちら↓

お題論文1

Antiviral drugs for sudden hearing loss (without known cause)

PMID:22895957

論文のPECO

P : 特発性急性感音難聴(ISSHL)患者(?)

E : 抗ウイルス薬(バラシクロビルもしくはアシクロビル+ステロイドの試験も含まれる)

C : プラセボ(プラセボ+ステロイドの試験も含まれる)

O : 不明

一次アウトカムは明確?

一次アウトカムは明確か? → 不明

真のアウトカム?

真のアウトカムか? → 不明

メタ分析の4つのバイアス

評価者バイアス → 2名の著者が独立して評価している。

出版バイアス →コクラン耳、鼻および喉の疾患グループトライアルズ登録、コクランコントロールトライアル(CENTRAL)(コクラン図書館2012、第5号)、PubMed、EMBASE、CINAHLおよびその他のデータベース

元論文バイアス → RCT4つが含まれているがITT解析されているかは不明。

異質性バイアス → 不明

結果

いずれもプラセボとの間に有意差なし。

まとめ

例によってアブストラクトのみだったので不明なところが多くなんとも言えません。

また、結果も有意差がないというだけでどんな項目を検討したのかもはっきりわかりません…。

ただ、バラシクロビルやアシクロビルなどは非常に高額の薬で、バラシクロビル500mgの先発品は1錠約400円。後発品で約200円です。

アシクロビル200mgは先発品が約200円、後発品が約40円となっています。

「アシクロビルの方が安くていいじゃん!」と思われるかもしれませんがその分服用する錠数が多いことが多々あるので値段的にはほとんど同じだと思います。

例えば、単純疱疹の場合でみるとアシクロビルは200mgを1日5回、バラシクロビルは500mgを1日2回です。

先発品の薬価を比べるとバラシクロビルは約800円、アシクロビルは1,000円とアシクロビルの方が高いことになります。

まあ…。その細い価格のことは置いておいて…。

不明なところが多い論文ではありましたが、少なくともこの薬の価格にあった効果が期待できるか?と言われれば現時点では微妙じゃないかな…と思えます。

もう一つ今度は日本語の論文が出ていたので読んでみます。

お題論文2

突発性難聴症例に対するバラシクロビル追加投与の効果について

Otol Jpn 20(5):717-720, 2010

論文のPECO

P : 単純ヘルペスIgGが100(EIA index)以上の症例で聴力が固定しており入院中にベタメタゾン8mg、アルプロスタジルフアルファデクス60μg、アデノシン三リン酸二ナトリウム300mg 、ユビデカレノン30mg、メコバラミン1500μgの標準治療を行った突発性難聴症例

E : 初診後2から4日後1日1000mgのバラシクロビルを分2で7日間投与

C : バラシクロビルの投与なし

O : 聴力回復率(?)

真のアウトカム?

論文のアウトカムは真のアウトカムか? → 聴力回復率であるなら真のアウトカム

調整した交絡因子は?

調整した交絡因子は何か? → 直接の記載はなし。ベースラインの比較はされている↓

突発性難聴の予後に影響する因子である発症年齢、発症から初診までの病日、初診時の聴力、めまいの有無の両群間の差はなし。

結果

聴力改善率

バラシクロビル群 50. 7±41. 4%

非投与群 66. 8±37. 0%

その他の項目についてもいずれも有意差はなしという結果。

まとめ

この論文では単純ヘルペスのIgGを測定しよりヘルペスウイルスの再活性化の疑いが強い患者に対象を絞って検討していますがそれでも有意差は見られず。

残念ながら突発性難聴の治療にオススメできるとは言い難い結果になっています。

総まとめ

今回は2つの論文を読んでみました。

ヘルペスウイルスの再活性化も難聴の一つの原因と考えられていることから単純ヘルペスのIgGを測定した日本の論文を読んでみましたが効果はパッとせず…。

もちろんこの2つですぐ効かないと言い切ることはできませんが、高薬価なことなど考えるとオススメできる治療法ではないと現段階では思っています。

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