耳鳴りに有効な薬はありますか?(アブストラクトのみ)

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耳鳴りで受診され薬を飲んでいる方も多いと思いますが、個人的な印象では状態が芳しくない方が多いかな…と思っています。

耳鳴りによく効く薬はないのでしょうか?

残念ながらアブストラクトしか読めない文献しか見つけられず、今回は2つ読んでみたいと思います。

お題論文1

Zinc supplementation for tinnitus.

PMID:27879981

概要

Cochraneの推奨する標準的な方法を使用したシステマティックレビュー?。

一次アウトカムは、アンケートによって測定された耳鳴りの重症度および障害の改善、および有害な影響。

二次的アウトカムは、生活の質、仕事に関連する社会経済的影響の変化、不安および抑鬱障害の変化、心理音響パラメータの変化、耳鳴りの音の変化、耳鳴り全体の重症度の変化および純音聴力検査の閾値の変化。

結果

合計209人の参加者を含む3つの試験が該当したが、参加者の選択基準、フォローアップの長さと結果の測定に違いがあり、メタ分析は不可能だったとしています。

参加者は18歳以上で主観的耳鳴りを伴う成人であったが、2013年に実施された1件の研究(n = 109)には高齢患者のみが含まれています。

耳鳴りの重症度および障害の改善アンケート調査

5% vs 2%

RR 2.53(95%CI 0.50〜12.70)

耳鳴りの重症度および障害の改善などアンケートを用いて調査したようですが、追跡期間の4ヶ月で耳鳴りの改善を報告している患者の割合に有意差がなし。

耳鳴りの音の変化

MD -9.71dB(95%CI -25.53〜6.11)

耳鳴り音の変化に関して、1件の研究では8週間後の亜鉛とプラセボ群の間には平均差は有意差はなしとしています。

他の研究では0~100ポイントで評価していますが、4ヶ月後の亜鉛とプラセボとの差は0.50(95%CI -5.08〜6.08)でこちらも有意差なし。

耳鳴りの重症度

MD -1.41(95%CI -2.97-0.15)

耳鳴りの重症度は8週間の追跡期間で0~7ポイントのスケールで評価しこちらも有意差なし。

耳鳴りの改善割合

8.7%(2/23)vsプラセボ8%(2/25)(RR 1.09、 95%CI 0.17〜7.10)

耳鳴りの改善の割合は8週間の追跡期間で有意差がなしという結果。

まとめ

いずれの項目も有意差なしという結果。

効果があるかどうかは不明のままですね…。

お題論文2

Antidepressants for patients with tinnitus.

PMID:22972065

こちらもアブストラクトのみですが耳鳴りに対するSSRIの効果を検討しています。

概要

耳鳴り患者の抗うつ薬とプラセボの無作為化比較臨床試験を2人の著者が評価し、独立してデータを抽出しています。

結果

610人の患者を含む6つの試験が含まれています。

うち4つは、三環系抗うつ薬の効果を検討し、405人の患者が対象。

1つの試験では、SSRIの効果を検討し120人の患者が対象。

もう1つではトラゾドンとプラセボの併用が検討されています。

三環系抗うつ薬は、耳鳴りの改善がわずかながらありそうと示唆されたが、方法にバイアスがありそうという書き方。

SSRIは全体的な改善は見られなかったが、より高い用量で検討されたサブグループでは有益な可能性があり。

トラゾドン耳鳴り強度および治療後の生活の質で改善傾向があるものの有意差なし。

まとめ

いずれも効果は微妙かもしれません…。具体的な数値も記載されておらず判断保留…。

総まとめ

2つのアブストラクトを読んでみましたが、耳鳴り治療にオススメできるか?と言われれば微妙な印象…。

また、質的にも高くない研究が含まれています。

J-stageに掲載されている耳鳴り治療のエビデンスでは(漫然とした)薬物治療は推奨されておらず、耳鳴りの教育的指導、カウンセリング、補聴器や認知行動療法が推奨されています。

今後の論文発表の結果を追いかけたい領域の1つですかね。

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