スタチンを中止しても安全でないなら他の薬は減らせませんか?①

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10月8日のJJCLIPの配信聞かれましたでしょうか?


この回では薬を減らせないかと悩む患者さんの問題を解決するべく、スタチン系を減らせないか検討した回でしたが、引用した文献上ではスタチン系を現段階で中止するのは難しいそうだという結果だったと私は解釈しました。

※引用文献:Utilization of Statins Beyond the Initial Period After Stroke and 1-Year Risk of Recurrent

PMID: 28768645

ならば他の薬はどうかと思い調べてみましたが、長くなりそうなので数回に分けてみようと思います。

「アスピリンやクロピドグレルなどの併用は最初のうちはしていた方がいいけど、しばらくしたら単剤でいい。」

とぼんやり聞いたことあるなと覚えていたのです。

加えて脳卒中ガイドラインには1年以上の二剤併用は“行わない”よう勧目られています。

twitterでこの論文ともう一つアブストラクトのみですが論文を上げていた先生がいたので読んでみることにしました。

参考論文1

まずはアブストラクトのみの方。

お題論文

Risk-benefit profile of long-term dual- versus single-antiplatelet therapy among patients with ischemic stroke: a systematic review and meta-analysis.

PMID:24081287

論文のPECO

P : 脳卒中の既往がある患者(?)

E : dual-antiplatelet therapy(二剤併用)

C : アスピリンもしくはクロピドグレル単独

O : 脳卒中の再発と頭蓋内出血

一次アウトカムは明確?

一次アウトカムは明確か? → 脳卒中の再発と頭蓋内出血なら明確

真のアウトカム?

真のアウトカムか? → 同様に脳卒中の再発と頭蓋内出血なら真のアウトカム

4つのバイアス

評価者バイアス → 2人の著者が独立して評価したと記載あり

出版バイアス → PubMed、EMBASE、およびCochrane Central Register for Controlled Trialを使用したと記載あり。Funnelプロットなどの使用は不明

元論文バイアス → RCTを対象に解析されているがITT解析されているかは不明

異質性バイアス → こちらはアブストラクトからはわからなかった。

結果

脳卒中の再発

二剤併用 vs アスピリン単独 RR 0.89 (95%CI 0.78〜1.01)

二剤併用 vs クロピドグレル単独 RR 1.01 (95%CI 0.93〜1.08)

頭蓋内出血

二剤併用 vs アスピリン単独 RR 0.99 (95%CI 0.70〜1.42)

二剤併用 vs クロピドグレル単独 RR 1.46 (95%CI 1.17〜1.82)

まとめ

アブストラクトからだけではPの部分がはっきりしませんし、元論文バイアス、異質性バイアスが不明なので割り引いて考える必要がありそうです。

結論は脳卒中の発症後から1年以上の二剤併用両方は単独治療と比べて再発リスクの低下と関連していないというもの。

また、長期の二剤併用両方はクロピドグレル単独より頭蓋内出血リスクが高いかもしれないというもの。

次はフルテキストで読めますが、ネットワークメタ解析という手法を使っていて、これがまた私の頭脳の理解の範疇を超えているので話半分に聞いてもらいたいと思います…。(泣)

参考論文2

お題論文

Long-Term Antiplatelet Mono- and Dual Therapies After Ischemic Stroke or Transient Ischemic Attack: Network Meta-Analysis

PMID:26304937

論文のPECO

P : 18歳以上で虚血性脳卒中やTIAで少なくとも1年の治療期間がある患者

E : 長期間の単剤治療

C : 長期間の違う単剤治療もしくは2剤併用治療

O : 虚血性、出血性、不明の致死性、非致死性脳卒中の再発

一次アウトカムは明確か?

一次アウトカムは明確か? → 明確

真のアウトカムか?

真のアウトカムか? → 真のアウトカム

4つのバイアス

評価者バイアス → 2人の著者が独立して抽出、評価している。バイアスは3人の査読者で独立して評価

出版バイアス → Discussionの部分にフルテキストは英語と中国語の文献のみなので選択バイアスの可能性はあると記載あり

元論文バイアス → RCTの文献が解析されている。ITT解析されているかは記載なし(?)

異質性バイアス → 異種性を考慮してプールされたORと95%CIが考慮されている

結果

24個のRCTの85 667 名が対象。

脳卒中の再発

シロスタゾール vs アスピリン オッズ比 0.66 (95%Cl 0.44~0.92)

シロスタゾール vs ジピリダモール オッズ比 0.57 (95%Cl 0.34~0.95)

頭蓋内出血はアスピリン、クロピドグレル、テトロトロバン、チクロピジン、アスピリン+クロピドグレル、アスピリン+ジピリダモールと比べて白スタゾールで有意に減少した。

複合アウトカム(血管イベントおよび全原因または血管死亡率)

シロスタゾール vs アスピリン オッズ比 0.68 (95%Cl 0.48~0.93)

シロスタゾール vs ジピリダモール オッズ比 0.59 (95%Cl 0.39 ~ 0.95)

まとめ

出版バイアスと元の論文がITT解析されているかが不明なのでそこは割り引いて考える必要があるかもしれません。

気になるのはクロピドグレルもしくはアスピリン単独での治療とクロピドグレル+アスピリン併用での治療の比較ですが、ここでは脳卒中の再発を有意に減少させることはなかったが、出血のリスクはアスピリン+クロピドグレルの方が多かったとしています。

総じて、アスピリンとの2剤での治療と単剤治療とでは脳卒中の再発の減少に差はない可能性が示唆されるかと思います。

一方の出血リスクは上がる傾向。

ただ、アスピリン+クロピドグレル vs クロピドグレル単独の試験は1つの論文の報告でしかないみたいですね…。

う〜ん…。私の理解をすでに超えている感じが…。(泣)

次回はこのネットワークメタ解析に引用されているアスピリン+クロピドグレル vs クロピドグレル単独を読んでみて総合的に考えてみたいと思います。

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