コレステロールについては少し高い方が…とか低い方が…とか情報が沢山ありまだ論争は続いています。
論文のPECO
P : 30〜80歳の虚血性心疾患がありスタチン系の薬剤で治療を受けている少なくともアドヒアランス80%、もしくは感度分析でアドヒアランス50%の患者
(活動性のがんや代謝異常の患者は除外)
E : LDL-Cが<70.0 mg/dL (low群)
C/E : LDL-Cが70.1~100mg/dL(moderate群)
C : LDL-Cが100.1~130.0mg/dL(high群)
O : 心筋梗塞、不安定狭心症、脳卒中、血管形成術、バイパス手術、全死因死亡
真のアウトカムか?
論文のアウトカムは真のアウトカムか? → 真のアウトカム
交絡因子
調整した交絡因子は何か? → 傾向スコアマッチング
年齢、民族、経済性、喫煙歴、糖尿病、インスリン使用、スタチンを摂取している期間、医師の診察、CKD、血管形成術の回数、Charlsonリスクスコア、BMIなどが調整されている
結果
アドヒアランスが少なくとも80%の場合
Low群 vs moderate群
HR 1.02 (95%Cl 0.97-1.07)
moderate群 vs High群
HR 0.89 (95%Cl 0.84-0.94)
アドヒアランス少なくとも50%でも1.06 (95%CI 1.02-1.10) と0.87 (95% CI,0.84-0.91)で同じような結果。
まとめ
PECOのEとCが自分の中で少しあやふや…。(泣)
虚血性心疾患がある患者が対象ということで二次予防の場合になると思いますが、人間ドック学会が発表している異常なしと言われるLDL-C値である69~119mg/dLの中でもさらに低い100mg/dL以下で心血管疾患や死亡率が低くなるという結果です。
ただ、70mg/dL以下と100mg/dL以下での死亡率などは変わらなさそう。
コホート研究なので文献の中でも今回調整できていない交絡因子などの影響も考えられるとしていますが、今回の文献を読む限りでは虚血性心疾患の人はスタチン系を服用しないでコレステロールが少し高い方が長生きできるか?と言われれば「う〜ん…。低い方がいいかもよ?」というのが個人的感想。